同居人日和 blog

こころ踊るドラマに出会えたら幸せ!と思う、アラ還間近のプレ主婦です。

『僕の歩く道』〜最終回 これも鉄板ドラマ

誰ひとりとして(心底)悪人の出てこないドラマって安心して見ていられて好きなんだけど、その僕シリーズもとうとう終了ですね。シリーズ全てに共通していたのは、こだわりの映像美、無駄のない台詞と間、そして常に別人を演じる草なぎくんでした。ホント草なぎくんって凄いわ。見事に輝明を演じきっていたですよ。
このシリーズはキャスティングも素晴らしくて、今回は母・里江役の長山藍子さんと、妹・りな役の本仮屋ユイカちゃんに毎回唸ったですよ。長山さんの上品な表情演技は絶品でございます。見ているこっちも同じ気持ちになって目が潤んでしまうんだよねぇ。りなも良かった。りなの、障害を持つ兄や家族への愛情とその裏に秘められた寂しい気持ちとか、家族の中で一番冷静で物事を見抜く力があるところとか、あの短い台詞や表情で見事に表現していましたよね。うーん、ユイカちゃん上手い!。
草なぎくんも凄いけど、周りも芸達者な人たちばかりだから手堅い。無駄な登場人物は一人もいないし、それぞれの人生にもちゃんとスポットを当てている。…あ、そーいえば一人だけその後がわかんない人がいた気が。ワタシの嫌いな河原さん(葛山信吾)は、あの後素直に都古ちゃん(香里奈)と離婚してくれたんだろうか。人一倍世間体を気にするタイプなんだから、2度目の離婚をそう簡単にはしないような気も…(汗)。都古ちゃん役の香里奈ちゃんは良かったと思う。感情をガンガン出すようなドラマじゃないから、淡々とした話し方とあんまり変わらない表情(え)はこのドラマに合ってたんじゃないかなぁ。
主人公の輝明(草なぎ剛)が劇的に変わるのじゃなくて、周りの人たちが輝明と接することによって変化していく。今どきの若者・三浦くん(田中圭)に始まり、本心から動物を好きになった園長・久保(大杉漣)や自閉症の息子と会うことのできた古賀(小日向文世)。息子との関係が修復できた兄嫁・真樹(森口遥子)や、輝明の良い友達になった甥・幸太耦(須賀謙太)。小さい頃から輝明のためにいっぱい苦労してきた兄・秀治(佐々木蔵之介)の気持ちもすっかりほぐれていたし。みんなホント良かったなぁ〜と心から嬉しいですよ(単純)。
そして、今まで輝明を守っていると思い込んでいたけれど、本当は自分が輝明を必要としていたと気がついた、都古ちゃんと母親・里江。自分がいなくなった後の輝明が心配、だからグループホームで自立して欲しいけれど本当は手放したくない、という里江の気持ちがヒシヒシと伝わってきて…うう。そうだよねー、輝明の自立=里江の自立なんだよね…。
輝明の純粋な気持ちや行動が、ひとりひとりをゆっくりと包み込み変化していく様が丁寧に描かれていた(決して押しつけがましくなく)良質なドラマだった。やっぱ橋部敦子さんの脚本っていいなぁ。
そうそう、残念なのは精神科医の堀田先生(加藤浩次)の出番が少なかったことかな。最初から最後まであの部屋から出なかったよね。加藤さん、ゆっくりとした話し方だととっても優しく聞こえていい人に見える(笑)。精神科医、なかなか似合ってましたよ。