シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』 満足
シネマ歌舞伎って、お家でDVDを観るようなものかなぁ…なんて思いながら行ってみましたが、いやいや全然違った!。迫力もあったし、始まってすぐにのめり込んで観ている自分がいたよ。映像だから、役者さんたちの微妙な表情もハッキリとわかるし、なによりお話が面白すぎてどうしようって感じ。
松竹演舞場の客席で、ワタシよりお歳を召した人たちに囲まれて(お隣はお一人で来られたおばあちゃん!)、そしてスクリーンの中の観客たちと同じところで皆が笑うってのは、とっても不思議な感覚だった。もちろん生の舞台の方が良いに決まっているんだけど、それでもワタシは十分楽しめたし、周りのかた達も思う存分笑っていたよ。
このお話もわかりやすいし、年配の役者の方々も挙って激しい動きやダンス(笑)ありだし、台詞も現代語に近いし、巷で流行っているギャグや内輪話なんかをサクっと取り入れて笑いを取るという、ワタシのような歌舞伎素人にも十分楽しめる演目。人気演目はチケットが取れないから、今後もこうしてシネマ歌舞伎で見せてもらえると嬉しい。
そして、生の舞台では味わえない、役者のアップ!。いや、男衆はいいんですよ。お染も勘太郎も七之助も格好いいし、表情にも楽しませていただいたし。何より勘三郎さんの、顔中汗まみれになっているお姿を拝見できたことは嬉しい。そ、そして女形衆の…特に福助さんのおよしと扇雀さんのおみねのアップがぁっ!!。…と、とにかくめちゃくちゃ迫力ありましたぜ、旦那…ばたん(気絶)。
上映後、勘三郎さんが舞台挨拶。一緒に観ていたみたいで、自分の演技にダメ出しされていた(笑)。でも、自分以外の役者さんたちの演技を観る機会がないので、それはそれで良かったとも。
だけどどうしてたったの1日しか上映しないのかな。もしまた上映の機会があったら、もう一度観たいなー。