同居人日和 blog

こころ踊るドラマに出会えたら幸せ!と思う、アラ還間近のプレ主婦です。

『歌姫』最終回 これぞドラマかも

グッと来たぜよっ!!!。…朝お布団の中で「あれ目が開かない?」とか思っていたら、案の定超目が腫れているワタシです。そーいえば昨夜お布団に入ってからも頭の中には太郎ちゃんと鈴がいて、なんか泣きながら寝ていたような…はい、正真正銘アホですが、それが何か?。
 見終わって思うことは、ちゃんと全話見て良かった〜、リタイヤしなくて良かった〜ってこと。初回からしばらくの間はテンポが悪いだの間延びだのいろいろ書きましたが(汗)…すんません。でも、美和子(小池栄子)が登場するまでに、じっくりすぎるほど太郎(長瀬智也)と鈴(相武紗季)の関係を描いてくれたからこそ、最後これだけの感動を与えてくれたんだろうな、と。(以下、無駄に長文です)
 そりゃーイライラもしましたよ。鈴は太郎が好きだとわかっていながらも、太郎からは妹だとしか思われてないのではないかとぐたぐた悩み続けている。太郎は太郎で、もし記憶が戻ったら今の生活や可愛い鈴のことを忘れてしまうかもしれない、だから自分の気持ちを明確に出来ないという葛藤に苦しんでいて、いつまでたってもふたりの仲は進展しない。しかもそんなふたりのところに超勘違い男・クロワッサンの松(佐藤隆太)が乱入してきてウザかったり、歌手・芥川(秋山竜次)の事件があったり、強烈・鯖子さん(斉藤由貴)が空気読めない行動をとったり(実は一番空気も心も読んでいた)、お遍路していた学生さん・ジェームス (大倉忠義) が太郎に心酔していたり、なんかドタバタしていてぶっちゃけ「歌姫」という題名にはまったく関係なさそうだし、これってどーいうドラマ?とか中盤までは思ってたんだよね。でも、そうやって太郎と鈴が関わった人たちが、きちんと現代に繋がっていたんだものっ!(鳥肌)。そしてその関わり方が見事だったから、思わず「あっ?あっ!あーーーっ!!!」って全てが丸く収まった満足感を味わえたのよね。誰も欠けてはならない。誰も彼もが必要だったんだよねぇ。そして彼らの行動や感情が遠い未来に繋がっていたわけで。うーん、上手い作りだなぁ。
 結局結ばれなかった太郎と鈴だったけれど、現代でお互いの孫が繋がってくれた!。コメント欄でtoboeさんも書いてくれたけど、太郎が美和子に言った「惚れぬいて惚れぬいて惚れぬいた男女は、生まれ変わってまた出会う」って台詞が、ちゃんと太郎(勇一)の孫・旭(長瀬智也)と鈴(とクロワッサンの松)の孫・ルリ子(相武紗季)に繋がったんだよね。そんなことあり得ねぇ!出来過ぎだよねー…ってこれっぽっちも思わないのは、前半にきちんと時間をかけて太郎と鈴を描いてくれたおかげじゃないかと、そしてふたりの気持ちをじっくり見守っていられたからじゃないかと思うのですよ。うん、これって思いこみ激しすぎ?(笑)。
 太郎の決断、過去の記憶も現在の記憶も取り戻したうえでの決断、それは勇一として東京に帰り、娘のさくらのために生きることだった。さくらを「歌姫」にするために愛する鈴と別れる決断をした太郎。そして鈴をこれ以上哀しませないためにも、オリオン座での記憶が無いフリをし通したんだよね…ううう(涙)。その時点で真相を知らされたジェームスが、その後「歌姫」という脚本を書いた。それが映画化され、それを(いつの段階で見たのかはわからないけど)観た小泉さくら(ジュディ・オング) が父親の過去を知り、その感動を息子・旭にも与えたかった…ってことでいいのかな。
 ところで、あの映画を観た(であろう)鈴や勇一や美和子、そして土佐清水の人たちはその時どう思ったんだろうか。そしてクロワッサンの松と結婚していた(であろう)鈴は…。でも真相を知ったとしても、みな騒ぐこともなく穏やかだったんじゃないかなぁ。きっと浜子(風吹ジュン)と泉(大河内奈々子)は「太郎はそういう優しい子だから」と言っていたと思うし、鯖子さんは「ワシには全てお見通しじゃった」と発言し(笑)、勝男(高田純次)やゲルマン(飯島ぼぼぼ)たちは「太郎ってのはそーいう奴じゃき」「男の中の男ぜよ」と言いながら、メリー(遠山景織子)の店で飲んでいたんじゃないかと…あ、思いこ(略)。
 鈴は…鈴もきっと温かい気持ちになったと思う。早い段階で太郎(勇一)に娘がいることを知っていた鈴だからこそ、太郎の決断も痛いほどわかっただろうし。「ウチの好きな太郎ちゃんならこうするのがあたりまえ」と思っただろうな。クロワッサンの松は、うーん、土佐清水を立ち去る前の太郎の不敵な笑いで気がついていたかどうか…なんせアホじゃき(笑)。でも、太郎のことを愛している鈴を、暖かい愛情で包んでくれていたんじゃないかと…。終わってみてそう思えるのも、邪魔なだけだったクロワッサンの松の、ホントは優しい心根をちゃんと描いていたからなんだよね…くすん。
 あー、長々と書いてしまいました。まだまだ語りたいことはあるけれど(え)、なんの疑問もツッコミもなく、最終回をただただ素直に泣いて感動して見終わることができたのは、ドラマとしてきっちり完結したからなんだよね。今ってドラマを全話見続けさせるのは容易ではないんだと思う。初回で視聴者の気持ちを掴めないと、実はどんなに良いドラマでも見続けるのが難しい。今回のように、回を重ねるごとにそれぞれの登場人物が愛おしくなっていき、中盤以降になってやっと核心に触れるような展開だと、そこまで我慢できなくてリタイヤしちゃう人が多いと思うよ。ワタシだってもしも主演が長瀬くんじゃなかったら、そして紗季ちゃんがあそこまで鈴を好演していなかったら、中盤前でリタイヤしていたかも(汗)。いや、ホント止めないで良かった…しかし長瀬くんの天才役者魂は知っているし今回の太郎役もすんばらしかったけど、マジで紗季ちゃんは主演女優賞ですよ。中盤まではただ可愛いだけの鈴だったけど、最終回の鈴は凄かった。可愛いんだけど哀しいんだけど凄みがあった。海から打ち上げられた太郎を見つけて生きているとわかった喜びも束の間、太郎の記憶がないことがわかって為す術もなくぽろぽろと大粒の涙を流す鈴、最後にオリオン座のロビーで太郎と向き合い、今までのふたりのことを流れる涙を拭いもせずにしっかりと伝える鈴にも完敗したぜよ(泣)。紗季ちゃん、すげーとオットも申しておりました(関係ないけど)。
 最後に(ホントに最後か?)「すっごく良いドラマだったぜよ!。泣いたぜよ!感動したぜよ!グッときたぜよ!視聴率がなんぼのもんじゃいっ!(鼻息)」とTBSの社長に言いたい。
■追記(まだ「歌姫」のこと考えているのか?というツッコミは無しの方向で…へへ)
 美和子役の小池栄子ちゃんも素晴らしかったねー。きっと大半の視聴者は鈴と太郎に結ばれて欲しかったと思っていたと思うけど、そのライバルの美和子があまりにもいい人過ぎるだけに「くうーーーーっ」って感じだったんじゃないかと。その美和子を栄子ちゃんはちゃんと理解して演じていたよね。妻の立場を押しつけるだけ,そして引き下がるだけの単純な描き方では決してなかった。登場は人当たりの良い明るい女性として、そして勇一を見つけた時からは妻としての当たり前の感情も見せながらも、鈴や太郎の周囲の人たちの気持ちをわかろうとして自分を抑えることの出来る美和子。いや〜、美和子もいい女じゃき!。だからこそ太郎も戻ろうと思ったろうし…。もちろん、さくらのために東京に戻る決意をしたんだけど、もし妻である美和子が超イヤな女だったら…とか思うとねぇ。ホントいい人ばかりで、だからこそ切ないのよ〜〜うわああん(思い出し泣き)。