『空中ブランコ』眉毛とヒゲ
期待大にして見てましたが、なかなか良かった。これ、連ドラで十分成立するとおもうんだけどなー。原作はまだ読んでないけど、原作にあるエピソードを全部使っちゃったんだったら、"原作をフューチャー"ってことで、連ドラ希望ッス!!
伊良部(阿部寛)怪しすぎ(笑)。マユミ(釈由美子)が患者に注射をすると、その部分を食い入るように見つめている…間違いなく患者より異常だ…。離婚した妻にコスプレをさせようとしたり、接待で良い気分になってバカ高い医療器具を買ったり、スーツ着たまま腕立て伏せをして汗と脂にまみれていたり…。
映画では松尾スズキさんが伊良部をやっているんだよね?松尾さんなら役作りいらなそうだけど(え)、阿部ちゃんは頑張ったねー。
阿部ちゃん自らノリノリで、眉毛はつながりそうになるくらい太く長く書き、ヒゲも「やりすぎだろう!」というくらいどんどん濃くなっていって、メイクさんを困らせていたそうです。→ こちら。
訪れる患者がわかりやすすぎな病状だったけど、決して「アナタは○○病です」とは言わない治療方法が面白い。訪れた患者に有無を言わせずに打つ黄色い液の入った注射…あれってビタミン剤だよね?
患者・公平(堺雅人)のフレンチスリーブ(なんて言うんだ?)みたいな衣装にはなじめなかったけど(笑)、独りよがりで協調性がなく臆病な感じが出ていましたよ。自分は悪くないという時の表情、憎々しかったもんなー。
誇大妄想のモデル・広美(佐藤仁美)も、伊良部の行動を見て己を知ったんだ。第三者が「妄想だ」「妄想だ」って言っても、本人が信じている以上は人の話なんて全然聞かないもんね。だからまずは患者の言っていることを肯定し、そこから治療が始まる…っていう伊良部のやり方は「なるほどなー」って思った。
ワクワクだったのは、先端恐怖症のヤクザ・猪野(遠藤憲一)と、ヤッパを持っていないと不安になってしまうブランケット症候群(ライナスの毛布ね=依存症)のヤクザ・吉安(松重豊)の対峙シーン。こんな病に罹ってしまうナイーブな人間はヤクザは向いていない…っていうのがいいよねー。